予防接種の必要性や副反応をよく理解して受けましょう。
お母さんのおなかにいるときに、赤ちゃんがもらった病気に対する抵抗力(これを免疫といいます)は、百日咳や水痘(みずぼうそう)では生後3カ月までに、麻疹(はしか)や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)では1歳までに自然に失われていきます。ですから、この時期になると赤ちゃん自身が免疫を作って病気に罹らないようにする必要が出てきます。自然に罹っても免疫が出来ますが、罹ると辛い病気や怖い病気は、予防接種によって免疫をつくる助けをしましょう。
予防接種に対する正しい理解の下で、お子様の健康にお役立てください。どこで接種されても良いのですが、効果や必要性、副作用をよく聞き、わからないところはちゃんと説明を求めて理解して受けましょう。
*インターネット予約は便利ですが、安全を考えれば、説明と顔の見える予約をおすすめします。
乳幼児の主に細菌性髄膜炎という病気の原因となります。脳や脊髄を包む髄膜に菌が入り込んで炎症を起こし意識障害やけいれんを起こす病気で、命にかかわったり、重い知的な後遺症を残したりする怖い病気です。
生後2か月から接種可能で、5歳になると免疫が確立してきますので、今まで接種していなかったお子さんは5歳までは接種が必要です。
我孫子市での接種間隔を別表に示します。
H25年11月より13価のワクチンになりました。H25年10月までに4回の接種を終られた6歳未満のお子さまは、自費なのですが、1回接種しておくとよいかと思います。
先に生ワクチンをすると次はどんなワクチンも4週以上してからになります。
先に不活化ワクチンをすると次はどんなワクチンも1週以上してからになります。同じ種類のワクチンを何回か接種するには、それぞれに適切な間隔があります。
平成21年より日本脳炎ワクチンは脳由来のものから、培養細胞を使ったものが接種出来るようになりました。
3歳になっているお子様は受けるようにしましょう。
3歳6カ月から受けることは可能です。3歳以下は0.25ml 接種ですが、十分免疫がつきます。2015年の夏に旭市で10カ月の乳児が日本脳炎に罹患しています。
日本脳炎の発生状況
定期接種をのがしている方は、下記の通り接種可能です。
1期:平成7年4月2日~平成19年4月1日生まれの方
2期:平成4年5月31日~平成7年4月1日生まれの方
(平26. 7. 29 改訂)
子宮頚がんは毎年15000人が発病して3500人が死亡する重大な病気です。 HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によってながい経過ののち発病することが あります。
感染は正常な性行為で無症状でおこります。ワクチンで、約70%を予防し検診を併用すると 99%防ぐことが出来ます。
小学6年生から高校1年生の女子が受けることの出来る定期接種となりましたが、有害事象がみられたため ワクチンとの関連性の調査結果が出るまで、積極的にお勧めしないという経過措置をしています。
有害事象(因果関係にかかわらず、ワクチン接種後に起こった好ましくないこと。交通事故に遭うなども含まれます)では、CRPS(複合性局所疼痛症候群)というものが疑われています。これは、献血などでも発症し(2009年の日本赤十字社の献血約530万人のうち24人に起こっています)痛みに対する心因反応ではないかと思われますが(私見)はっきりとした原因がわかっていません。
どうしようかと悩まれている保護者の方々へ
ご心配なことは、迷わずご相談ください。
(平25. 7. 13 改訂)
B型肝炎ウイルスによる感染症。体内にウイルスが入ると、肝炎を起こし、長く肝臓にすみついて、何年、何十年後に肝硬変や肝臓がんを起こします。(日経メディカル開発「お母さんのためのワクチン接種ガイド」より)
(1月4日付け朝日新聞より)
定期接種になっても、年令がはずれてしまうお子様も、任意で(有料ですが)受けておかれると良いかと思います。
対象:平成28年4月1日以降に生まれた生後1歳未満の方、生後2か月より接種可能
回数:計3回
(平28. 9. 11改訂)
予防接種(ワクチン)には次の2種類があります。
したがって生後2か月を過ぎるとヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを接種することが出来ます。同時接種も可能です。同時接種は平成23年2月、3月に7名の死亡例があり、保留していましたが、予防接種が原因であることは否定されました。悲しいことに乳児には、乳児突然死症候群という不測の病気で亡くなることがあります。心臓のお病気をかかえる赤ちゃんや、寒い季節には十分注意しましょう。B型ワクチンが平成28年10月より公費で接種できるようになりました。(平成28年以降に生まれた方) 生後2カ月から接種できます。
3ヶ月を過ぎると対象になるのは、DPT・IPV(4種混合)です。
DPTの中の破傷風は土の中に存在している菌であることなどから、感染の機会は少ない訳ではありません。早く免疫をつけてあげたいものです。DPTの中の百日咳はこの冬、成人の間で全国的に患者が出現しています。DPTワクチン前の小さな赤ちゃんに伝染するとたいへん苦しい咳になります。
したがって、私は次のワクチンはDPT・IPV4種混合をお薦めしています。
BCGは生後1年までのみ公費で受けることが出来ます。接種開始は生後すぐからとなっていますが、BCGは毒性も強い結核菌の生ワクチンですので、白血球に力の無い免疫不全のお子さんは受けると副作用が激しくでます。免疫不全がないことを確認できるのは、3ヶ月くらいからなので、小児科医は生後3ヶ月以降の接種をお薦めいたします。
なお、従来行われていたツベルクリン反応は(結核菌が体内に侵入したことがあるかどうかの検査です)施行しないでBCGを行うようになりました。
ウイルス性胃腸炎はノロウイルスが有名になりましたが、子どもはロタウイルス胃腸炎がもっとも重症になりやすく、脳炎などの重い合併症をおこすこともあります。ロタウイルスには多くの種類があり、何度もかかることがありますが、初めての感染が重症です。まだ公費負担ではありませんが、早めの接種が有効です。おすすめしたいワクチンです。ワクチンは経口の生ワクチンです。我孫子市では1回3000円(1価2回ワクチンで)の補助が受けられます。
1歳のお誕生日を迎えられたら、MRワクチン(麻疹=はしかと風疹)と水痘ワクチンの予防接種を出来るだけすみやかにしましょう。はしかは怖い病気です。以前は卵で作ったワクチンでしたが、現在はトリの胎児細胞で培養されていますので、アレルギー反応も少なくなりました。12ヶ月から24ヶ月までですが出来るだけすみやかに。
風疹ワクチンは以前は中学3年生の女子に接種されていました。これは妊婦が風疹に感染した場合、胎児が異常を起こすためでした。しかし、近年ワクチンで免疫をつけたお母さんが増えたため、上のお子さんやお父さんが風疹に罹った時に、お母さんの症状無しに、おなかの赤ちゃんだけが、風疹に罹ってしまうことがあるのがわかり、流行を防ぐためににも赤ちゃんのうちに男女とも接種します。
MRワクチンは確実に免疫がつくように、就学前の1年間に2回めを受けます。
現在年長さんで2回めの未接種の方は3月31日までです。急ぎましょう。
水痘ワクチン
平成26年10月より、12カ月から15カ月の赤ちゃんが公費で2回接種出来ます。
ワクチンはお住まいや体調などのいろいろな事情でするべきものが少しずつ違ってきます。近年、良し悪しは別として、法律の変更が多くなって来ました。詳しいことは、ご遠慮なくお尋ねください。
MRスケジュール
1期
(1~2歳未満)
2期
(年長さんの1年間4月1日~3月31日まで)
我孫子郵便局並び。
お子さんから大人の方まで幅広く診療しております。お気軽にご来院ください。
医院名 |
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天王台こども・おとしよりクリニック |
院長 |
前田 弘子 |
住所 |
〒270-1143 千葉県我孫子天王台3丁目22-10 |
診療科目 |
小児科・内科・アレルギー科・整形外科・リハビリテーション科・在宅診療(訪問診療) |
電話番号 |
04-7182-5071 |